「ねえ、夕日って、どうして赤く見えるの?」
「え〜っと… よく知らんけど、確か、太陽光線が大気圏に突入する角度が変
わると…? 光のプリズムが……?? …ん???」
明るい青い空が、時として悲しいほどに碧い空が、いつしか色褪せて… 薄暮
になり… 群青になり… 夜のとばりがおりて星が瞬き始める…… そんな「1日
という季節」のなかで、夕日は「秋」… 「燃える秋」… 終りでもあり始まりでも
ある。そして、終りでもない始まりでもない不思議な時間。やがて幾多の星た
ちが饒舌に語りだす夜のステージを前に、太陽が静かにその独裁者の座を
おりる時。だから夕日は燃える色。夕日はあたりを茜に染めて燃える色……
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